あの震災を3.11と呼びたくない

今日が誕生日の子を賑やかに祝ったとして、「不謹慎」などという言葉が出てこないぐらいには落ち着いてきた頃でしょうか。

震災の被害は1日で終わったわけじゃありません。
だから私は今日が特別な日で、今日を震災の日とするのが納得できない。
そもそも「3.11」という呼称に違和感を感じる(のでほとんど使わない)
たしかに一番大きなマグニチュードは今日だったかもしれないが、
地震自体はそれ以後も頻繁に起こっていた。
余震の影響があったからこそ救助も思うように進まなかったのだし、――。

震災は自然災害である。
だからその日が3月11日ではなく、12日かもしれないし、20日だったかもしれない。
そもそも1日ってのは人間が決めたタイムテーブルであり、
地球にとっては関係ない。
3.11という呼称だとまるでその日だけ地震が直撃したかのようで嫌だ。

例えばこれが9.11なら分かる。
あれはテロによる人災である。
テロリストがこの日に決行しようといって、その日の便に乗り込む。
事件は計画された1日のスケジュール。
だから日付と場所というのが特別な意味を持つ。

けれども震災は違う。
1日とは限らず何度も周期がやってくる。
その日は生き残れても、明日は分からない。

福島原発を指して、人災とかいう意見もあるだろうが、
9.11はテロという外因的要因に対して、東電の原発は緊急時の対策が出来ていないという内因的要因が原因なので同列に扱うのは違う気がする。
仮に第三者が悪さをしてやったのだとして、セキュリティ面に問題がある時点でやはり内因的要因であり、種類が違いすぎる。

3.11の呼称は明らかに9.11を意識したものだろうが、
全く種類の違う出来事をイメージの刷り込みで似た事案のように思わせるような呼称なのであんまり使いたくないのである。以上。