見かけ倒しの卒業

前提:ゼルダの伝説ブレスオブザワイルドの超個人的メモ - 鈴木君の海、その中

さらっと書いたが、

・敵の強さが見た目でわかりやすい。

は重要な事だったりする。今回のゼルダではザコ敵の強さが、

キース<チュチュ<ボコブリン<モリブリン<ライネル

というように大きいやつほど強いみたいになってる。(一部例外あり)
それってスゴイことか?と思われるかもしれないが、スゴイことである。

わかりやすい例をあげると、ロックマンXというゲームがあるが、
このゲームにおいてデカキャラは簡単に倒せるキャラという認識で間違いない。

なぜ、そのような認識になってしまったのかというと、
「当たり判定」というものが関係している。

2Dのゲームではイラストを表示して、
その表示されている範囲にキャラの存在があるので、
そのグラフィックに自分が当たるとダメージをくらって、
そのグラフィックに攻撃を当てると相手にダメージみたいな事になってる。

これはよくよく考えると、でかいという事はそれだけ主人公側の攻撃を食らいやすいという事でもある。
おまけにでかいやつが画面内を暴れまくっているとそれだけでストレスだから、
基本的にデカキャラはバランスをとるためにのろまに設定されていたりする。
つまり、相手の攻撃は避けやすく、こちらの攻撃は当てやすいのでザコになりやすい。
仮に敵の手数を多くしたとしても、こちらの攻撃が当たりやすくなっている点は変わらないので、ゴリ押しできる相手だったりする。

こういう事情があったからかは知らないけど、
ゲームの世界は強さを見た目じゃない、技とか特性で強さを表すようになっていたりする。
最近のゲームだとポケモンミミッキュとかかわいいけど、打たれ強く、素早く、攻撃力もあるみたいな強キャラだったりするし、
なんというかドラゴンボール幽遊白書みたいな、最近だとラノベにありがちな、
細身なんだけどマッチョを倒すとか、美少女なのに男より強いみたいな、理屈ではなく設定で強さを表すみたいな
そういう意外性という指標がなんかスタンダードになっていたように思う。
FF15の主要4人が海外からは戦闘メンバーに見えないというのも、
多分日本人は見た目で強さを見ていない文化だというのが関係しているんじゃないだろうか?

話が脱線したから戻すと、
今回のゼルダに出てくるモリブリンは見ただけでやばい。
直感でやばいやつだと理解できるんだよね。

見ればわかるけど、手が異様に長い。これによって懐に潜るのが大変。リーチがただでさえ長く、槍を持っているとものすごい遠くから素早い攻撃をしてきて本当にやばい。ずるくてやばい。一匹だと対処できる相手も二人がかりで攻められると無理ゲーになる。

しかもコイツ、やせ形で上半身が大きいのに下半身は小さい。と言うことは、普通に戦ったらこっちの攻撃は当てづらいという事。よほど素早く立ち回るか、相手をひるませるしかないわけで、ただ殴っていればいい相手じゃないんだよね。

これまでのゲームは3Dなのに、2D的な敵の見せ方をしていたわけで、
多分日本のゲーム作者は3Dのゲームを作るにしても一度頭の中で2Dで想像してから、それを3Dにしていたんじゃないかな。
今回のモリブリンを見る限り最初から3Dで考えた方が実は一般ウケするものが出来るんじゃないかな?と思った。