貴乃花親方の真意を探るマスコミの真意は?

 マスコミの迷走が終わらない。

 大前提として日本は法治国家である。総理大臣だろうが、高名な僧侶だろうが罪を犯したら裁かれなければいけない。もちろん、それは横綱であっても例外ではない。日馬富士が日本での永住権を手に入れたいのならそのルールには従うべきだ。問題なのは日本で生活しているはずのマスコミと相撲協会がそんな当たり前の事すらわかっていないという事である。

 ビール瓶か、素手か、などどうでもいい。格闘家なら素手でもNGだからだ。

 貴乃花親方がマスコミにも協会にも話さなかったのは単純に信用できないからだろう。松居一代ですらyoutubeを使う時代だ。マスコミは既に伝達媒体としての力を失っている。協会が腐っているのは今に始まった話じゃない。協会側の人間を頻繁に呼んでいる事からコネがあるのは見え見え、もっといえば今回のような件で被害者側に問題意識を持っている時点で、マスコミが自称弱者どころか、強い物の味方である事を隠そうともしていない。化けの皮がはがれているわけで、一般視聴者だってこの不自然な報道に疑問を持っているはずだ。昔のマスコミはもう少し賢かったはずだが、一体いつからこんなピエロになったのだろうか?

 高ノ岩が生意気な事を言ったという事が取り沙汰されるが、もしも亀田兄弟が無名のメキシコやタイ人のボクサーに試合以外でボコボコにされたらマスコミはすぐさま容疑者呼ばわりしていたハズだ。

 仮に生意気な事を言ったとしても「飲み会」のような無礼講の場で暴力を振るっていいわけがない。腹が立ったのなら試合で実力の差を見せつければいい。それが王者の風格である。

 生意気発言にゆとり力士なる言葉まで出てきたが、当然モンゴルにゆとり教育などない。ここまで思考停止できると逆に面白いんだろうな。

 モンゴルでは日馬富士を支持する意見が多数という事実は無視していい。彼らはただ出稼ぎに行っている稼ぎ頭がいなくなったら国の収入が減るから騒いでいるだけである。単純に力士としての日馬富士が好きなら日本からすぐに帰ってこさせて自国で相撲を取ったらいい。日本でなければいけない理由なんてないだろう。

 モンゴル人差別という意見もおかしい。今回被害にあったのはモンゴル人だ。暴行されたのは外国人だからオレたち日本人にゃ関係ないぜという態度の方が差別的であり、人権を無視した行為である。

 相撲業界への影響みたいな話題もどうでもいい。学内での暴行現場をケラケラしながら見ているクラスの動画をネットに勝手にアップされて高校がバレて、進路に影響するだのどーのこーの騒ぐ学生や保護者と同じレベル。東大も慶応も学生が不祥事をいくら起こそうが、何の影響もない。風評被害の影響を受けるのは元々実力も覚悟もないだけのこと。むしろ、そういう犯罪行為を影響がデカいからという理由で隠そうとする事こそ日本の悪しき事なかれ主義を体現している。

 ニュースというのは単体で見るよりも相対的に比較しながら見た方が面白く、例えばるろうに剣心の作者が児童ポルノの単純所持で逮捕されたらしい。で、動機を「幼い女の子が好きだった」と正直に話している。集英社もきっぱり認めているというこの潔さである。漫画家なんだから「これは資料のためです」みたいないいわけも出来ただろうにそれをしない。編集部ももみ消そうという動きすらしていないのである。というより過去にしまぶーみたいなもっと酷い状況があったのだが、彼はエロ漫画家ではなく、正統派少年漫画で復帰した。つまり再チャンスの場がいつでも与えられているわけであり、単なる単純所持程度ではそれほど暗いニュースではないだろう。

 スモウもマンガも日本を代表する分化だが、かたや日本人のなり手が少なく、かたや子供達のあこがれの職業になっている。なんちゃってブラックと本物のブラックの差が目に見える形で出てきたという事である。