性的コンテンツ

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  一部でしか話題になっていないが、女性弁護士がキズナアイNHKにケンカをふっかけたらしい。キズナアイNHKも別に潰されて構わないが、この女性弁護士の意見には「?」となるものがあり、それに対して賛同や賞賛の声が上がる事にも疑問を持つ。

 

news.yahoo.co.jp 正直、「誰がテレビをつまらなくしたか」のテンプレートに使ってもいいレベルのいちゃもんだが、キズナアイNHKも面白いコンテンツだとは思わないので、どっちもどっちであった。

 

 1.本当に性的か?

sudzuking.hatenadiary.com キリスト教基準で言うと、「ヘソだし」「ふともも」がマズい。が、逆に言うと「そこだけ」でそれ以外は布を付けてる率が高い。当該ページを見ても何がまずいのかよく分からなかった。二次元キャラの中で飛び抜けて露出が高いわけでもない。アクビちゃんや初音ミクが性的か?と訊かれても「いや別に」レベルである。が、彼女の批判に納得した人はどこからかこのキャラクターに「性的」なものを感じるらしい。この「性」は男が考える「エロ」とは別物と考えた方がいいだろう。

 

  2.NHKは何故キズナアイを使ったのか?

 関係者じゃないのでわかりません。

  ただ、NHKは他の民法が無視を決め込む中、いち早く「東方project」に触れたメディアである。なので、今の若者や世界はどんな事に興味を持っているのか?というアンテナは常に張っていると考えられる。

 

  キズナアイは日本というよりも、海外で受けているキャラクターだ。ここら辺は彼女のYouTubeチャンネル(ゲーム系)を見れば、分かる。選んでいるゲームもそうだが、英語字幕も(ファンメイドかもしれないが)付けられるなど、世界的コンテンツで、だからこそニコニコ動画ではなく、YouTubeで配信している。

 

 普段「ノーベル賞なんて興味ないよ」と思っている層に、今話題のキャラを使って説明してあげようというのはよくある手法であって珍しい事じゃない。

 

  3.彼女は何に怒ったのか?

NHKノーベル賞解説サイトで

このイラストを使う感覚を疑う。

女性の体はしばしばこの社会では

性的に強調した描写されアイキャッチの具にされるが

よりによってNHKのサイトでやめて。

このサイトで女性受賞者は少ないの?とか書いてるけどこれじゃ理由わかんないんだろう

 「~した~され~されるが」が読みづらかったので区切った。「よりによって~やめて」が日本語としてよく分からないので誤読があるかもしれないが、とりあえず読み取ろうと思う。

 

2020/4/5追記

 よりによってNHKのサイトで(やるのは)やめて(ほしい)って事だろうか?「やる」と「やめる」という逆の表現で受け取ってしまったので読み取れなかった。

 

  「NHKノーベル賞解説サイト」「よりによってNHKのサイト」とあるように彼女にとってNHKはそんなイラストを使ってはいけない存在らしい。これは「営利企業と無関係であるNHKが企業臭さのただようキズナアイと関わりを持った」と捉える事もできるし、「弱者ワッショイの反日左翼NHKがよりにもよって社会強者の男性向けコンテンツの萌えキャラ使うなんて」とも捉えられるし、「NHKというクソ真面目な権威がキズナアイとかいうふざけた存在を認めるなんて」という風にも取れる。いずれにしろ民法だったらここまで言われなかったのかもしれない。

 

 次に「女性の体は」とあるように彼女はキズナアイの「ぶりっこな喋り方や身振り」に怒っているのではなく、サイト内に女体がベタベタ「アイキャッチの具」として貼り付けてある事が気に入らないのだろう。

 

www3.nhk.or.jp

  しかし、実際のインタビューでは上半身しか映っておらず、「へそ」「ふともも」と言ったアウト要素が削られている。ちなみに「脇の下」は欧米基準では性的ではない。男の目を引く衣装だから禁止!というのはどちらかというとイスラム教の考えであって、世界のフェミニストが戦っている価値観である。

 

  4.彼女はフェミニストなのか?

 「クソフェミ」みたいな事を言われているが、彼女の思想はどちらかというと保守である。アメリカのレディーガガは「左」寄りで、トランプ大統領が「右」だとすると、彼女は右そのものである。マジモンのフェミニストはフリーセックス万歳!家族という枠組みは古い!というクソビッチなので、「女らしい体で何が悪い」という意見の方が多い。

 

  また彼女のいう「女性の体」はバーチャル上の存在であるキズナアイには無い。これが雑誌のグラビアやポルノ女優のような実物があって、実際に傷つく「体」というものがあるのなら、「女性を守りたい」という意思があるように思える。しかし、実際には無い物を守ろうとする不思議な事になっている。彼女の目的が「女性を守りたい」以外にあるのではと疑念を持つ。

 

 「非実在青少年」の問題と似ているが、あれも右寄りの党が賛成していた。自民党政権下で女性自衛官が海外派遣されるし、女性も戦車に乗れるようになった。女性が活躍するすごい時代だ。私は応援しないけど、社会が望むのならば仕方の無い事だ。頑張って下さい。

 

  5.表現規制は正義か?

 誇張しすぎは問題だが、表現そのものの規制は危険である。その昔ちびくろサンボという作品があって、アフリカにはいない虎が出てくる事から分かる通り、本当はインド人の子の話だと思われるのだが、黒人差別の表現だとして廃刊にまで追い込まれた。それと時を同じくして肌を黒く表現することによるクレームを恐れたクリエイターや出版社が「腫れ物」扱いして、「自主規制」するようになった。その結果アニメやマンガなんかは世界に進出するメディアになったのに肌の白いキャラクターばかりになってしまった。

 

 表現を規制した結果「黒人差別」がなくなったかというと、「なくなっていない」わけで、何も効果がなかったわけである。FGOなんかで褐色のキャラクターが描けるようになって本当によかったと思っている。まぁ、黒人キャラと引き換えに今度は女の子キャラが消えそうなんだが。キズナアイはファッションはともかくとして、「女性の体」としては抑え気味な方であり、どこら辺が誇張されているのか疑問である。

 

 6.性的コンテンツは悪か?

note.mu

まあ、普段からエロい事してるわけだし
匿名の質問箱なんて設けたら
『おま●こびろびろろー』とか
『きみのおま●こ僕の唾液でびしょびしょにしてあげるよー』
みたいなクソメッセージがたくさんくるんだろうなあ。
と思って、不快な言葉はスパムにしてくれるマシュマロというサービスを使ってメッセージを募集することにしました。

ところがどっこい!
いざ募集をはじめてみたら、本当に真剣な質問が沢山寄せられるようになったのです!

 

(中略)

 

この活動を始めて現在二ヶ月ぐらいですが、本当に沢山の人が性の話をなかなか人にできず悩んでいるのだとわかりました。
わっちは先生ではないので『わっちのもってる知識を皆んなに教えたい!』というスタンスではなく、
ひとりの『えっち愛好家』として、おゆかり♨️様達と、リアルの世界ではなかなか出来ない性の話をどんどんしていきたいと思ってます!

もちろん、求めてない人に強要するつもりはありません。必要としてる人にちゃんと届くように、頑張っていきます。

『バーチャルからリアルをかえるんだ』
ミソシタさんが歌う歌詞が現実になる日がくるって信じてます。

  多くは語らないが、性に緩い社会だからこそ出来る事もあるのである。性的コンテンツに関わっている全員が差別的なのでもなければ、悪人でもない。ちなみに、念のため言っておくがキズナアイはエロやお色気を売りにしていないし、そういうのを誰も求めていない。

 

  7.本当に「キズナアイ」に怒っているのか?

 理屈で考えれば考えるほど、なぜキズナアイが批判されるのか理由が分からなくなる。そして、この女弁護士の意見に賛同する意見が多いというのが何よりも驚きだ。思うに彼ら彼女らはキズナアイではなく、「二次元萌え」と言っている男や「電車内でエロいの見ている」男などに普段からフラストレーションがたまっていたのではないだろうか。それがたまたま彼女のツイートによって爆発しただけで、理由などどうでもよいのではないだろうか。理屈ではなく感情だけで動いているだけと考えると理解できる。

 

  この程度で扇動されてしまうというのが、戦争前の日本人と同じメンタリティでヤな感じである。今はいい時代であるのと同時に恐ろしい時代だ。