GEMS COMPANY個人的メモ4


好きなことで、生きていく - HIKAKIN - YouTube [ Long ver. ]

 

 YouTubeのテーマは「好きなことで、生きていく」事らしい。このテーマは一部の人をイライラさせるらしく、「そんなわけないだろ」と返されてしまう。たしかに好きな事と仕事の両立は難しい。絵が上手い人が漫画家になってやりたい事ができるのかというとそういうわけでもなく、ヒーロー漫画を描きたかった人が女の子が上手いからお色気漫画を描かされるという事なんてざらにある。私があえてこんな事を掘り返すのは、GEMS COMPANYというコンテンツも「好き」という軸によって支えられていると思うからである。

 

 GEMS COMPANYでまず1番手として飛び込んできたのは「珠根うた」である。*1そして珠根うたの「好き」な色は「緑」であり、特にエメラルドグリーンが「好き」らしい。これは彼女のキャラクターデザインにも活かされており、クローバーのヘアピン、制服のリボンタイ、スカートのチェック柄に至るまで、緑を基調にデザインされている。

 

 これはマーケティング的には失敗である。

 

http://news.denfaminicogamer.jp/projectbook/torishima/3

――ううむ、怖い……(笑)。ちなみに、宮本茂さんとお会いしたことはあるんですか?

鳥嶋氏:
 ある。一度だけ会って、宮本さんに文句を言ったな。
「なぜゼルダの主人公を緑の帽子のキャラクターにしたんですか?」と言ったんですよ。日本でマリオとゼルダの売上に差がついている最大の理由は、僕に言わせれば「色」なんですよ。「赤」と「緑」の差は本当に大きい。

――「緑」は弱いんですか?

鳥嶋氏:
 日本人には「緑」はウケない。
 しかも、あのキャラクターの元ネタは、どう見てもピーターパンでしょ。ディズニーへの憧れが強すぎるし、日本人はピーターパンは好きじゃない。それに比べて、マリオはヒゲ面の太ったオヤジでしょ。そんなの日本人がどっちを好きになるのかは明白だよね。

  ひねくれ者の私は「本当かよ?」と思ってしまうが、緑を捨てた「ブレスオブザワイルド」がヒットしてしまったので、否定しづらい。*2私もあまり詳しくは無いが、美少女コンテンツにおいても緑がセンターという話は聞いた事が無い。つまり、マーケティングで作られた設定のようには見えないのである。ではなぜGEMS COMPANYは緑のキャラが正統派のポジションになったのだろうか?

 


【うたお】初投稿だぜ!~もし、スタンド使いになれたなら~

 

  珠根うたの動画は「かわいい」という印象を与えるものが多い。しかし、本当に珠根うたの一番の魅力は「かわいい」なのだろうか?もちろん、この動画を見て、かわいいか、かわいくないかを問われたら前者だろう。が、この「かわいさ」は彼女の構成要素であって、本当は他にテーマがあるのではないだろうか?

 

 私がそう思うのは、彼女が好きなマンガに「ジョジョ」を挙げているからである。かわいさを強調したいなら、かわいいイメージのないジョジョをわざわざアピールする必要なんてない。むしろ逆効果ではないだろうか?ジョジョオタはアイドルなんて興味ないだろうし、アイドルオタはジョジョなんて読まないだろうし。

 

 けれども私はここにこそ、このコンテンツの面白さが隠されていると思っている。

 

  珠根うたがジョジョで一番好きなキャラは「花京院典明」らしい。ここまで言えば分かる人には分かるが、分からない人には本当に分からないので説明すると、花京院のイメージカラーは緑である。彼の学ランは「緑っぽく」塗られる事が多いし、彼のスタンドはハイエロファント「グリーン」、彼の必殺技は「エメラルド」スプラッシュである。珠根うたの緑好き=花京院好き=ジョジョ好きはこうして自然に結びつく。

 

  また、ジョジョというマンガ自体も重要である。「絵柄が奇妙だよ」とつっこまれがちだが、話自体は典型的な少年漫画であり、王道なのである。

 

d.hatena.ne.jp

これまで「理」によって勝ってきた承太郎が初めて「怒り」という「情」を口にします。現象だけ取り上げると、他のバトル漫画のように主人公が「怒り」によって勝つ、というお決まりのパターンかもしれません。しかしながら、ジョジョ3部ではここまで「理による戦い」を積み上げてきました。積み上げて、積み上げて、そして最後の戦いでそれまでの戦いとは真逆の(そしてそれはバトル漫画では本流の)勝ち方をする。まさに、読者に最大の「意外」と「納得」、そして「カタルシス」を与えた戦いだったと思います。

『てめーはおれを怒らせた』*2

このセリフに、ジョジョ3部の全てが濃縮されるといっても過言ではないかもしれません。

 

 変化球、超変化球を投げながら、最後は真ん中ストレートを決めてくる。一見すると少年漫画に見えなくても、最終的に少年漫画に戻ってくる。これがジョジョがジャンプに載っている理由である。なので、そういう作品を「好き」だといっている珠根うたも安定の「少年漫画の主人公感」とか「正統」っぽさがあるのである。また、これはジョジョに限らずジャンプマンガ全般に言える事であり、他のジャンプマンガが「好き」だと語っている他のジェムカンメンバーとも通ずる部分である。

 

  「スクエニのコンテンツ語るのに、集英社の名前出しているんじゃねーよ」みたいな大人の世界の話は置いとくとして、こういうメンバーの語る「この作品好き」「この人すごい」みたいなところが、配信内容やキャラクターにものすごく影響を与えているのである。ある意味でYouTubeの王道なスタイルなわけである。

 

 これまでの私を見て、推してる配信者のアーカイブ動画を見て「しんどい」と言うとか、こいつ頭おかしいのか?と思われていた人もいるだろうが、こういう事である。これまでオタクコンテンツは割とカンタンに入っていく事ができた。というのも例えばSFだったらSFに造詣が深い人の話を聞いていれば、「SF」という「そのジャンル」はマスターできた。SFというジャンルという物がちゃんとあって、ファンはSFというジャンルから入っていって、SFの見方で、アニメでも特撮映画でも小説でも入っていく事ができる。

 

 「科学」みたいに言葉でちゃんと説明できる物の上にジャンルが成り立っていた。だからジョジョオタだったら、とりあえずジョジョ一部から知ってるみたいな。だけど、GEMSCOMPANYはメンバー若いからそこまでのガチオタはいない。「特定マンガのオタク」ではあっても、「マンガ全般のオタク」ではない。けれでもこだわりはあって、それは「好き」という感覚から色んな作品がまとめられ「ジャンル」が生まれているのである。

 

 だから、オタク向けというよりも、「ニュータイプ向け」みたいなものすごく電波な表現しか今のところ説明できない。私の現段階の理解や文章力ではこの感じを伝えるのは非情に難しい。正直なところ、熱狂的なファンしかいないのは、各メンバーが言っている作品をわざわざ買って同じく楽しめるような人でないと、この「筋が通っている」感じを見極められないからだと思っている。けれどもそこまで踏み込めない人は世界観がそもそも分からないので、一貫性の無いわけわからんコンテンツに見えているのである。

 

  一番いいのは、そういう同じ事をして足を踏み入れた「好きを共有」した人がちゃんとどういうジャンルの配信なのか説明する事だと思うんだけど、どうもファンはあんまり有名になってほしくなさそうだから、上手くいかない。自分も、正直12人のメンバー全員理解できているかというと、そうでもない。つーか多分運営も理解していない。なので、本来ロックとして売らないといけないアーティストを、ポップスで売って失敗しているような感じ。

 

 電波過ぎて1%にも伝わっていないだろうけど、個人的メモだから仕方ない。

*1:ホントは星菜日向夏と同日だけど、説明がめんどいので省略。

*2:強引に緑だと解釈すれば初音ミクとかいますけどね。