ドラクエ11感想その13【エンディングまで】

※真のエンディングを見た事前提

・過去へ行った勇者は勇者の剣を守りぬく。けれどウルノーガはまだ姿をあらわさないというじらしっぷり。この、そう上手くいくわけねーよ感を出してドキドキ感を持続させるところが、いい。

・なんだかんだウルノーガを倒すことに成功するが、「勇者とともにやってきた存在」によって新たな脅威が生まれる。いやー、やっぱ悪魔の子してるわぁ。セリフやストーリーとしては光を肯定するんだけど、世界観とかテーマでは実は光の負の側面というのもちゃんと描く。

・新たな脅威を倒すために、壮大なおまけが始まる。

・まだまだ驚きのイベントがあるけど、それはお楽しみとしてとっておく。

・ここから先は真のエンディングを見た事を前提に妄想を記す。

・勇者の星(隕石)から出てきた邪神(宇宙人)、タイムトラベル、キリスト教の否定――、これらは全て「SF」の要素だ。ドラクエ11とはこれまでのファンタジーからSFへの転換を行った作品になるはずだ。

・エンディングを見れば分かるが、今作はこれまでのシリーズのどの時代よりも古い「神話の時代」を舞台にしている。常識で考えたら、もっともファンタジーが似合う舞台だ。ところが、今作は上述のようにSF的である。

・なぜそんな事をしたのか?それはある意味でドラクエ10が完成形だったこと(ファンタジーでできる事はすべてやってしまった)。ドラクエは時代とともに生きる作品(5以降のドラクエは現代が舞台でも問題がない=現代になると旅に出しづらい=未来を舞台にした方が逆にやりやすい)。世代交代(スタッフの高齢化。新しい世代に新しい世界観と舞台を用意する必要があった)など色々浮かぶ。これは開発者の声を聞いたわけではないので、妄想にすぎないが、一度発想するとそうとしか思えないほど腑に落ちる。

・また、マーケティング的には指輪物語の世界観からの脱却。ゼルダもFFも指輪物語の影響が大きい、これまでのドラクエもそうであった。けれどドラクエ11は「ドラゴンボール」の世界観を新たなRPGの舞台として用意する事によって脱指輪物語を実現しようとしている。ドラクエは他の作品よりもキリスト教すぎて、かえってウケなかったが、海外でいち早くウケていたドラゴンボールの力を借りる事によってヒットする可能性がある。事実クロノトリガーを高く評価する外国人は多い。*1

・そもそもドラクエで一番メジャーなモンスターは、ドラゴンを除いて考えたら「スライム」なのである。ゴブリンだと指輪物語だが、スライムはSFそのものである。大学生が趣味でなんでもありな世界観で作ったWIZから引っ張ってきたSFモンスターがスライムなのである。

・ロト=サイヤ人説が出て、宇宙を旅するドラクエが出てきても、もう驚かない。

・さんざん引っ張ってきてオチが妄想で申し訳ないが、これでドラクエ11の感想を終了する。念のために書いておくとプレイ時間は100時間程度。遊んだのはPS4、クエストは全部達成。トロフィーも全部とった。二週目はしばりプレイを4つ全てオールでやってウルノーガまで倒す。本当にやりこんでいる人からするとまだまだだろうけど、じゅうぶん元が取れるぐらい遊んだつもり。今回の隠しボスはかなり凶悪だと思ったんだけど、トロフィーで見てみたら現時点で4割近くの人が真のエンディングを見ているようだ。みんなすごい。

・switch版が出るみたいな噂があるので、その時を楽しみにしていよう。今回一つのハードで遊んだだけのソフト単体の感想なので、ハードが変わる(例えばドット絵でのプレイ感)とか携帯機ではどうなのかまだ未知数なのである。

*1:もっとも鳥山先生の全盛期が終わり、ナルトやワンピースでさえ古いと言われる時代にやっても遅ぇよという話だが。