日本ゲーム盛返史1991 ー 2018(その15)


ワンダと巨像

 それまで3Dゲームというのは2Dゲームの延長線上にあった。グラフィックの見え方が変わっているだけで、2Dでも表現可能な面白さだった。だから、ソニーのグラフィックやサウンドに力を入れる方向性というのに多少懐疑的だった。しかし、今作をプレイした後、ソニーが目指してしたのはこういう場所だったのかと、納得するのと同時に感動した。このゲームは3Dだから表現できる面白さに支えられている。真の3Dゲームだと思う。

 個人的には「生き物を触っている感じ」がすごい。巨像をつかんでいる時、馬が鳴き声をあげるとき、主人公の叫び声、それら全てに「重さ」とか「痛み」というようなものを感じだ。しかしその本来苦痛であるはずの感覚が「リアルさ」を感じさせたのも事実である。きがつけばこのゲームの世界に入り込んでいた。