中古ソフト

 中古ソフトは適正な価格で売られている説。

 最近のゲームソフトは、熱心なファンが発売日当日に買ってそのゲームの評価を決める傾向にある。期待していた割には――とか、この値段でこの内容は詐欺みたいな。そういう評判がネットに出てそれが定説になってしまう。これもある程度の指標にはなるのだろうが、ユーザー層を広く見ると必ずしも正しいとは言えない。

 例えば、クソ扱いされたゲームというのは店に並ぶ。店は在庫を処分するためと、新品との差別化のために安く売る。そうして在庫が大量に残るたびに中古に引っ張られて新品のソフトもバーゲンセールの中になってしまう。本来6000円のソフトが場合によっては数百円になっている事もある。

 ここで、その作品のファンでも何でもない人がこの数百円のソフトを遊んだら、「この値段でこの内容ならお買い得だ!」と思う事がある。つまり、その人にとってそのソフトはクソゲーではなくなっているのである。

 中古ソフトをなくしたいのはメーカー側の都合だろう。それを否定するつもりはない。だが、メーカー側は「開発費の元が取れる」値段設定をしているのであって、面白さに見合った値段設定を行っていない。店とユーザーが決めた中古ソフトの方がそのゲームの「正しい値段設定」だと思うのである。

 これから先ダウンロード型の販売方式が主流になるにつれ、中古ソフトは減っていくのだろうが、中古ソフトという売り方がなぜこんなに長く続いていたのか?という事も考えておいた方がいいと思うのである。