GEMS COMPANY個人的メモ

 スクエニの迷走企画GEMS COMPANYが気になっている。

 正直な話TGS2018で初めて存在を知ったにわかで、VTuber自体今年になってようやく知ったような人間なので、ろくな事を言わないと思うが、個人的に思う事をメモ。

 まず、売り方がヘタすぎるだろうと。動画を見てみたけれど、一人一人の才能はすごくある。どうやらオーディションで厳選したヒトたちらしい。

SQUARE ENIX × DEARSTAGE「GEMS COMPANY 新メンバーオーディション!!」 #GEMSオーディション

応募資格
2018年8月末時点で特定のプロダクション、レコード会社、出版社等と所属・契約を結んでいない声優やシンガーを目指す15歳から22歳の女性

 ドラクエを遊んだ事がないメンバーがいるという時点で予想していたが、やっぱり若い。アイドルとして見たら妥当だが、Vtuberとして見ると若すぎる。バーチャルじゃない方を含めてYouTuberは就職活動に失敗したようなアレな人が多いので、実際の年齢層は彼女たちよりも一回りくらい上のおっさんおばはん(のはず)である。いくつもの修羅場をかいくぐってきたので、配信でのトラブル対応などが上手い。しかし、GEMS COMPANYの人達は台本には強いがアドリブには弱い。経験値が少なすぎる。

 しかもめっちゃ綺麗な3Dモデル持ってやがるくせに、応募資格に顔写真と全身写真が必要ってどういう事やねん。元がかわいいならボディなんていらないわけで、中身ボイチェンおっさんが普通に戦えるジャンルだという事に企画者は気づいていないのだろうか?

 ただ彼女たちの力不足感よりも作り手側の力不足感の方が強く感じる。設定がお荷物になっている感が強い。例えば彼女たちは自らをVtuberだと思っておらず、普通の配信者だと思っているというところだが、この独特の設定によって生みの親の意向が強くなり、育ての屋(視聴者)がキャラ付けをしにくくなっている。そのため、最近のアイドルにありがちなファンと一緒に成長していく――が上手く機能できていないように思う。

 また、一人で配信実況をしているキャラのはずなのに、配信者だったら気にするはずであろう他の同年代同ジャンルの配信者の情報に疎く、何きっかけで配信を始めようと思ったのか?みたいな事が掴めない。一方で、プライベートでお互いが配信者である事がわかるとすぐに仲良くなる。普通の女の子感にはリアリティがあるが、配信者キャラとの剥離があり、そこはリアリティがない。

 各ブースでのやりとりでも思ったが、ゲーマー率が低すぎる。せっかくスクエニがバックにいるのに全くコネが活きていない。我々一般が情報を把握できなかったのは当然としても、開発側にすら認知されていない距離感というのは色々と問題があると思う。ホントにこれスクエニの企画ですよね?と問いたくなる。

 映像と音楽(と声)だけはいいところはスクエニっぽいけど、そんなところだけ「らしさ」を出さなくていいと思う。

 ここまで問題点だらけなのに、なぜ気になるのかというと、VTuberとしては問題ありだが、彼女たち自身にはまだ伸びしろがあるという点である。なんというか彼女たちはその才能ゆえに親元をいつか離れるというスリリングな展開が見られるんじゃないだろうか?と思っている。1年後くらいに期待。