人はそれが過去になった瞬間学ばない

 ニコ生でたつき監督の「ケムリクサ」の1~5話が一挙放送されていた。

 

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  一言で言うと、1期のけものフレンズ。キャラはかわいいんだけど、ところどころ不穏で、ボス戦カッコイイといういつものアレ。けもフレ2に失望した人たちはこっちを見た方がいい。

 

  けものフレンズというと思い出すのが、相羽裕司氏による次のような考察だ。

 

aiba.livedoor.biz

 リアルの方で作品の元になってるソーシャルゲームがサービス終了しているというネタも絡めて、ソーシャルゲームのサービス終了という比較的最近良く聞く「破綻的な出来事」と、リアルの方の東日本大震災のような本当に人類史規模での大きな「破綻的な出来事」とが連想して意識されるように背景に設定しつつ。

 そんな「破綻的な出来事」からの「復旧」の道程が淡々と、でも陽気さも忘れずにね! みたいな感じで綴られていく作品です。

 

 たつき監督のインタビューとか見ていないので、この見方が正しいのかどうかわからないが、私は納得した。作品というのはこんな感じで時代の空気感と合ったときにヒットするというか、流れの中から自然発生的に生まれるものだと思う。

 

bluesura.hatenablog.com

  日本人が「けものフレンズ」を拾って、海外が「キズナアイ」を拾ったのにも理由があると思っている。震災下のような限られた中で生活をするけものフレンズが日本で流行って、電力をじゃんじゃん使わないとそもそもコンテンツ自体成り立たないバーチャル空間のキズナアイが海外で流行ったのも無関係ではないはずだ。

 

 震災からもう8年近くが経過して、あと少しで二桁になってしまう。実際に被災したならともかく対岸の火事だった人はもう忘れてしまっているかもしれない。別にキズナアイが「関西弁が上手い」こととか、「外国で人気」な事とかを槍玉に挙げるつもりはないが、日本人の琴線にいまいち触れないのはこういうところだったりするんじゃないだろうか。

 

sudzuking.hatenadiary.com

  個人的にショックを受けたのは、思ったよりもゲームが面白くならなかった事である。ムービーゲー多過ぎ。さらにそれを実況するYouTuberなんかも比例して動画の配信時間が長くなって、非常によくない流れが生まれている。明らかに海外に向けられているというか、たしかに日本と比べたら、仕事の残業時間も少なければ、電力の心配もないのかもしれないが、別世界の娯楽と考えていいレベル。

 

 冷静に考えてほしいけれど、もし明日、計画停電が実施されて「1時間しかネットにつなげられません」とかなったら、1時間の配信アーカイブとか見る?少なくとも「海外」に売る気がない人達は考えてほしいところである。