VTuber4

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 なんかジャニーズ事務所からVTuberがデビューするらしい。*1個人的には大歓迎である。他業種のプロが別の業界行ったからといってプロとして扱われる事はないわけで、できるところまで挑戦してみたらいいと思う。*2新しい血を入れる事は業界を盛り上げる一つの手段になると思う。

 

 ただ、VTuber業界はできたてホヤホヤのくせに、なぜか保守的なところがあって、こういう新しいものに対して距離を置きがちというか、拒絶反応がすぐに出る。マツコ会議でもtwiiter上で「魂」がどうのこうの言ってたし、なんというか外側の世界に対して被害妄想的というか、ものすごく閉鎖的な空間のように感じる。

 

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さて、今回は「中の人」との関係を軸として話を進めます。はい、メタな話です。

分類は「中の人はいない」「中の人と同一人物」「中の人とは別人格」です。それぞれに一応名前も付けました。これらは私が勝手に定義付けしたもので、一般的な意味とは違うのでご了承ください。

バーチャルライバー

・バーチャル世界の住人。
中の人はいない、もしくは関係ない、というスタンス。一つの独立した人格であるとみなされる。
・中の人に対して「魂」という表現を使うことが慣習上多い。
キズナアイ、電脳少女シロ、にじさんじ所属のライバーなど代表例。

→既存の似た存在
一部のマスコットキャラクター(くまモンプロ野球球団マスコット)など

バーチャルダイバー

・リアル世界の人間が、バーチャルのガワ(アバター)をかぶって活動している。
・中の人と、バーチャル存在は同一人物として扱われる。おっさんが幼女になっていても、同一人物と言い張れば同一人物
・同一人物なので、中の人という言い方はあまりしない。
・バーチャルアメリカザリガニが代表例。

→既存の似た存在
オンラインゲームのプレイヤーキャラクター、SNSのアカウントなど

バーチャルキャラクター

・バーチャル世界にいるキャラクターをリアル世界の人間が演じている。
中の人は存在しているが、バーチャル存在とは別人格として扱われる。バーチャル存在は、あくまで作られた創作物であり、リアル世界の人間が演じているという扱い。
・中の人は、アニメに準じて声優・CVと呼ばれることが多い。
・22/7が代表例。

→既存の似た存在
アニメ・演劇などのキャラクター

 

 

  ……この区分けって必要だろうか?要はどのタイプも「リアル世界での話題」が野暮という点では一致しているし、そもそも「中の人」単体で稼げるならこんなデビューはしないだろう。*3

 

  例えば、普通の人は「漫画を描いている作者」ってあんまり興味ないと思う。その漫画を描いているのが「イケメン」とか「美女」だから内容関係なしに見るとかいうやつがいたら普通にキモい。逆に作者が「ものすごくブサイク」だから見るの止めましたっていうのもおかしい。漫画家としてデビューしたら「漫画」で勝負するのが当たり前であって「作者」は興味ないのが普通だと思う。*4VTuberも同じで、動画だったり、活動でいかに感動させるかがメインであって、そこを見るべきだと思うのだが。*5

 

  「ポケモンはRPGと呼べるのか?」と同じで、ぶっちゃけどうでもいい。RPGだと思っている人も、RPGだと思っていない人も楽しめるのがポケモンのすごさなのであって、「これが正しい」みたいに楽しみ方を限定する必要ってあるんだろうか?

 

人間は新しいものに出会った時、それを自身の中にある既存の似た存在に当てはめて理解しようとします。
例えば、アニメ業界が好きなファンは、まずバーチャル存在をアニメキャラに似た「バーチャルキャラクター」として認識します。
なので、バーチャルライバーに対して「声優は誰だろう?」と思ったり、バーチャルダイバーに対して「なんでちゃんと演技しないんだろう?」と疑問を持ったりします。

キズナアイさんなどを中心とするVtuberにハマっている人は、新しくVtuber界に入ってくるバーチャル存在を狭義のVtuberである「バーチャルライバー」として認識します。
なので、バーチャルダイバーやバーチャルキャラクターに対して「魂を公開するのはご法度」という反応を見せることがあります。例えば、バーチャルジャニーズは、世界観で言えば、おそらくバーチャルキャラクターなのですが、それに対して「CVって言うのは違うんじゃない?」といった反応があったりします。

 

  アニメ業界って「声優は誰だろう?」とか気にするんだろうか?私はメーテルの中の人とか知らないんだが。仮に他のアニメに出ていても「メーテルの声だ」くらいにしか思わないが。ミッキーだって教授が声を出していた事、ほとんどの人は知らないと思うけど。今のオタクって林原めぐみ以降のアイドル声優が出演するアニメばかり見ていたりするの?

 

 「中の人はいない」も、本当にそう思っているなら別にいいけど、実際は「頑張っているから応援する」「人柄が好き」みたいな中の人に関わる部分が人気に関わるという矛盾。中の人いらないなら、ボイスロイドやゆっくりでもいいじゃん。

 

  上記区分による「バーチャルライバー」を理解できない人がトラブルを起こすみたいに思われているみたいだけど、実際は逆だと思う。まず、バーチャルライバー自体がやり方がバラバラでちゃんとしていない。バーチャルの住民が「配信場所に困って」洗濯機前で中腰になったり、「オフ会開いて」リアルで会ったりするか?中の人いないのになんでそんな事しているんだ?こういう事やっているのにそこに目を向けないという身内に甘く外に厳しいところが、この界隈の嫌いなところである。少なくともバーチャルキャラクターのニコ生配信はまったりしていたぞ。

 

私がVtuber業界で、いいと思っている文化は、例えば「ぼくは悪魔だ」と言ったら「そうなんだ。よろしくね」と言ってくれたり、「私は現実世界では男性で社長やってますが、バーチャルではケモミミの女の子です」と言ったら「そうなんだ。かわいいね」と言ってくれたりする「自分が表現したい自分をそのまま受け入れてくれる文化」「多様性を許容する文化」だと思うのですね。

だから「Vtuberとはこういう世界観を持った人だ」という縛りは必要ないと考えています。現実と同じ格好でバーチャル世界に来たっていいし、現実と別人格として理想のキャラクターを演じたっていい。バーチャル世界は、バーチャル世界の住民だけのものじゃない。そういう自由で多様性にあふれた世界になってほしい、というのが私の願いです。

 

 概ね同意。誰の意識が変わらなければいけないかもハッキリしている。だからこそ本人達が気づくまで厳しい視線を向けるつもりである。

*1:正確にはバーチャルSHOWROOMER

*2:プロと言っても事務所が大手なだけで駆け出しの子が参加というこれまでのVTuberにもあったスタンスじゃないか。何が不満なんだ?

*3:普通にYouTuberとして活動しとけ。

*4:別にお笑い芸人やモデルが漫画家デビューしたって面白ければいいじゃん。

*5:中身ボイチェンおっさんでも活躍できるってそういう事だと思ってたんだけど、みんなゲイだったのか?