表現の自由2
最近やたらと目に付くアレの話題。*1登場人物一覧を見ただけで関わっちゃいけない案件だと思ったから触れていなかったけど、あまりにも極論が出回っているので自分の考えを記しておきたい。*2あくまでも自分ならこうするという話であって、これが正しいというわけじゃない。そういう意見もあるんだと思ってほしい。
1.表現規制≠安全な社会
アメリカを見ろ。表現としての銃は規制するのに、現物の銃は一切規制しない。*3ロリコン雑誌を規制しても、この世からペドフィリアは消えない。黒人の唇を分厚く描かない時代になっても、黒人差別はなくならない。表現規制で世の中がよくなると思っている人達は騙されている。
2.フィクションとノンフィクションがごっちゃになっている。
博物館内の展示内容は、基本的には「フィクション」であり、嘘っぱち。*4。一方で「電話FAXによる脅迫」はフィクションには思えないし、普通に犯罪。「殺害予告」を表現の自由だとか言っているやつは極論なので、そういうやつに煽られないように気をつけて。
3.「歴史上の人物」
あんまり詳しくないけど、パブリックドメインなのかな?自分だったら怖いから手を出さない。エピソードなど部分的に借りて、「別人と分かる表現」で使う。どうしても「本人とわかる形」で表現したい場合は、子孫の人がいるかどうか確認して、「許可」をもらう。……今回のケースはどう考えても「許可」がもらえないから強行したんだろうけど、許可がもらえないから「不自由だ!」って主張はちょっと違う気がする。商標権、特許権があるから「不自由だ!」とか普通の人は言わないでしょ。*5
4.「気分を害するものを見せるな」
テレビCMでも、コンビニでも、公園でもなく、イベント会場で、「そういう展示」をやる場所なんだから、過激な物があるのは当然じゃね?見ない自由があるよ。
5.税金ではなく自費でやるべき
一理ある。批判する権利もある。ただ、既に開催されていたという事は税金を「使った後」であり、ここで中止に追い込むという事は入場者数を減らし、収益を減らすだけなので、税金の無駄遣いに協力した事になる。*6
6.表現者は命を張るべきか?
表現者は「批判」は受けても、「命」の危険にまで晒される必要はない。今回のケース、テロに屈したとしか思えない。フランスでイスラム過激派が暴れているような事件を思い起こすが、あちらは出自の違う人間同士。同じ文化圏に住んでいる日本人同士でこういう事が起こると、日本は治安がいいとか大人しい民族とか言えない。こんな脅し――しかもものすごく胸糞悪い手段で止めたという前例ができたら、今後も気にくわないイベントに対して同じ事が起こるかもしれない。マジで警察は仕事してくれ。
7.公的権力が「表現の自由」の味方とは限らない。
……とは言ったものの、警察は「国」に属す以上、国の価値観に従う。中には民間寄りの人もいるだろうけど、上司は「国」の側。もしも「国」にとって「表現された物」に不都合な物があった場合、規制される可能性はある。*7
長くなりそうなので、ここまで。
追記:脅迫犯捕まったらしい。