ゆとり世代

 ここに1987年生まれの山川さんというオンナノコがいる。彼女は「ゆとり世代」だろうか?

 答えは「わからない」である。

 実は彼女は帰国子女で15歳まで海外で暮らしていた。だから日本固有の教育だった「ゆとり教育」を受けていない。……いじわるな問題で申し訳ないが、これが世代論の本質である。世代というのは横並びにみんなが同じムーブメントを経験した時に、起こる。団塊の世代とは「みんながそうだから俺もそうなんだ」と個性がなく、格差もなく、だいたい似たような考えのやつしかいないつまらない時代を生きた人達で、バブル世代とはたまたまバブルという景気がいい時代に当たっただけの人達である。団塊教育、バブル教育を受けていた世代というわけではない。ただ日本全国で共通体験があった時代の人達というだけだ。今のようにそれぞれが好き勝手に生きている時代では世代論は通用しづらい。

 当たり前だが、ゆとり世代というのは日本にしか存在しない。アメリカにも中国にも「ゆとり」はいない。それは単純な話でゆとり世代というものは「ゆとり教育」を受けている事が前提で、全世界のほとんどの人は無関係だからだ。ここから話を広げると、「ゆとり教育」がキーになるという事は、ゆとり世代でありながらも「塾へ通って猛勉強していた人」や「そもそも学校へ行っていない不良や引きこもりの不登校児」はゆとり世代だろうか?これまた当たり前だが学校だけが人を作るわけじゃない。学校を信用できなくとも、周囲に優秀な人がいれば直接その人に師事する事もあるだろう。というより本来の勉強は自らの意思で行ってこそ身につくものである。つまり、「ゆとり教育を受けていた=バカ」は論理的には成立しない。

 ゆとり世代が競争を嫌うというのもウソくさい。高校卒業と同時に一線で活躍し、今はメジャーで活躍しているマー君の事を世間はどう見ているのだろうか?AKBにしたってほとんどゆとり世代だろうに。

 そもそも「ゆとり教育」とは具体的にはどのような教育だろうか?「週休完全二日制」「道徳の授業が、総合的な学習へ」「ブルマが廃止」「授業料の削減」……ゆとり教育が打ち切られたといっても道徳の授業は復活しないし、土曜日に学校へいく事も(おそらく)なく、日本全国でブルマが復活する事もない。ただ、教科書の教えるページを増やすだけである。これは何か意味を持つのだろうか?

 ゆとり教育は日本の「左派」が進めた教育らしい。確かにそうだ。しかし、この左派は別に中国的な左派ではなく、日本独自の左派である。例えば中国はアンチゆとり教育だ。だから上海はPISAでも上位だ。

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 中国はすでに社会主義が崩壊しており、社会主義市場経済という名の一党独裁資本主義をしている。頭の中お花畑の左翼思想どころか極右の国である。日本に来てまで爆買いできるのも都市部に金が集中して、田舎や少数民族が苦しい思いをしているからである。どこが平等思想なのか?アメリカと同じで貧富の差が激しい国と考えた方が事実に近い。日本が在日特権はもちろん、一般家庭への福祉を充実させず、金持ちで金を独占すればバブルも来ていないのに中国なみの金が集まるだろう。

キレる小学生~増加する暴力問題とその背景を考える(矢萩邦彦) - 個人 - Yahoo!ニュース

先月文科省が発表した『児童生徒の問題行動等生徒指導上の諸問題に関する調査』によると、2014年度に小・中・高校で発生した暴力行為は54242件で、全体としては前年度よりも5103件減少していましたが、小学校では増加傾向にあり、7年間で3倍に増加しています。問題視されることが増えてきた小学生の暴力行為について、背景を考えてみたいと思います。
◆キレる小学生の増加

今回の調査では、特に低学年において暴力行為が増えているという結果だったのですが、塾業界においても暴力だけでなく、座っていることが出来ない生徒や、突然怒り出すなど感情をコントロール出来ない生徒は年々増加している印象です。クラスに教師以外の大人を配置するといった対策を講じている教育機関もありますが、対処療法的なものでは根本的な解決に繋がりません。

神奈川県の小学校教諭Aさんは「知らない大人やあまり親しくない大人が教室にいると、大人しく出来る子もいます」としながらも「結局すぐに慣れちゃいますし、関係なく暴れる子もいますから、システム化するのは難しいですね」といいます。また、「ちゃんと原因を突き止めようにも、授業以外の業務が多く子どもたちの生活面までなかなか手が回らない」という意見もあり、学校側の「無関心」や、気にはしつつも結果として「放置」状態にあることも問題を加速させている要因の1つと考えられます。

塾業界においても、問題を抱えている生徒は保護者と連絡がスムースに取れない傾向があり、積極的に家庭と関わることを避ける講師や教室スタッフも少なくありません。また塾の場合、週に1、2時間程度しか生徒と接しないため、その生徒に深く関わろうというモチベーションが低いとも考えられます。

(中略)

◆生徒層の拡大とノウハウの不足

指導歴30年のベテラン塾講師Bさんは「クラスに2人以上座っていられない生徒がいると、もう授業どころではないですね。算数なんて特に無理だと思います。塾なんだから他の生徒への影響を考えて欲しい」と、経営方針に問題があると指摘します。

学校と比べて問題視されることが少なかった塾業界で、暴力などの問題が目立つようになってきた背景には、少子化の影響で低学年から生徒を募集する塾が増えてきたことが挙げられます。同時に「預かってくれる時間が長い」という理由で中学受験塾などに通わせるケースもあり、今までなら塾に通わなかった層の生徒が増えてきています。そもそも低学年を扱うノウハウを持っていない塾や経験のない講師の対応のまずさが、生徒のストレスとして暴力行為の一因になっているのではないかとも考えられます。

小学生に限らずですが、様々な理由による睡眠不足や運動不足、また承認欲求が満たされていないことも攻撃性と相関があるとされます。それらを自分でコントロール出来ない小学生に対して、関係する大人が1人でも多く積極的に関わることで、改善できることがあると感じます。しかし、共働きや家庭の問題で無自覚にネグレクト状態になっている家庭も多いといいます。また特に都市部において地域の大人が子どもたちに関わり難くなっている今、家庭や学校が担いきれない問題を、塾などの機関がサポート出来る可能性を期待します。(矢萩邦彦/studio AFTERMODE・教養の未来研究所)
 

 こじつけるようで申し訳ないが、脱ゆとりに大して期待できないのはこういう事が起こるからである。校内暴力と詰め込み教育の関係性については何もハッキリした事は言えないが、上記の引用で何も違和感を覚えないのなら、もはや今の大人達に期待できる事は何もないという事である。

 「座っていることが出来ない生徒」はADHDといって子供であるならば、割とよく見かける光景である。大抵の場合は成長するにつれて大人しくなっていくか、あるいはそのまんまでも芸能界なんかで活躍している事が多いので、別に大した問題じゃない。むしろ子供は興味がある事には集中するはずなので、大してやる気がないのに塾なんかに通わせて、数字遊びや暗記を無理やりやらせている事になる。この場合、「子供は外で元気に遊べ!」というのが正しい教育である。

 感情がコントロールできない子供に、どうしたらよいか教えるのも、暴力を振るう子供にそれはゼッタイにしてはいけないと教えるのも教育だ。むしろこういう生きるために必要な力を教える事こそ大人になってからでは遅い、子供のうちに学んでおくべき教育だろう。なぜこれを教える大人がどこにもいない。「保護者ガー」「学校ガー」「政府ガー」こういう他人に責任を押し付ける人達が教育を語るなどおこがましいにも程がある。

 ゆとり教育が間違っていたのかは分からないが、教育とは間違えるものである。間違えながらも学んでいくものである。だからあなたがゆとり世代でも気にする事はない。結局のところ、これは血液型と同じで、差別したいやつが差別するために使う非科学的なものなのだから。