モンゴロイドは何処から来たか?

 進化とは「分化」の事である。例えば、プードルやビーグルといったイエイヌのほとんどは品種改良によって作られた。これは試験管を使って自分好みの遺伝子を組み合わせたわけでは無い。ここで言われている品種改良とは「人為的な交配」の事である。元々動物は、混血、環境適応、遺伝子の組み合わせによる「突然変異」により姿を大きく変える事がある。これは通常は、ランダムで規則性のないもので、どのような姿になるかは天のみぞ知る話だったりする。けれども、黒人選手がマラソンが得意なように、親が足が速ければ子も足が速くなるという「法則」は存在する。つまり、理想的な親を掛け合わせていけば自分の望む「種」を作る事ができる。犬で言うならば、まず「人なつっこいイヌ科の動物」と「そうでないイヌ科の動物」がいて、前者を人が選び、一緒に暮らした。そしてそのイヌ科の動物の中から、狩猟のために穴を掘るのが得意な犬を選び、そいつの子供をたくさん作る。こうして、人為的な淘汰の結果残ったのが、いわゆる猟犬であり、これが「品種改良」なのである。今現在、人は狩猟をほとんどしておらず、愛玩動物として犬を必要としているので、小さくてかわいい豆柴だとかトイ・プードルなどを作ったが、これも小さい動物が出来るように環境だとか、混血だとかを上手いことコントロールして作っているわけである。作られた品種は最初は安定しないが、しばらくすると安定してくる。ここで初めて一つの犬種として認められ、「血統」というブランドが得られる。犬も自然の中の動物なのだから、ほおっておくと最初に出来た「原種」からどんどん遠くなっていってしまう。その犬種を残すためには原種に近い犬の価値を高めておく必要があり、我々もよく聞く血統証とはこの原種に近い犬である事を証明したものなのである。*1

 チャールズ・ダーウィンはみなさんご存知の「進化論」を唱えた。これは全ての「種(しゅ)」はもとを辿るとひとつの「原種(共通祖先)」にたどり着き、それが環境や遺伝子によって変異を起こした結果、それぞれ個性的な姿に「分化」していったというものである。よく誤解されるが、チンパンジーやオランウータンがある時、急に覚醒して直立二足歩行を始めたわけじゃない。*2ヒトとサルとの間には「ヒトでもサルでもない原種」が存在し、この「ヒトでもサルでもない原種」のうち、道具を持ち草原に住むものがヒトの祖先に、森に住み樹の上で暮らすものがサルになったのである。*3

┬───────────────────── クラゲ
└┬──────────────────── エビ
├──────────────────── イカ
│┌─────────────────── ヒトデ
└┤
■■└┬────────────────── サカナ
■■■│┌───────────────── カエル
■■■└┤┌─────────────── トカゲ
■■■■│┌┤
■■■■││└┬────────────── カメ
■■■■│││┌───────────── ワニ
■■■■└┤└┤ 
■■■■■■■└───────────── トリ     
■■■■■└┬─────────────── ゴジラ
■■■■■■└─┬───────────── カモノハシ
■■■■■■■■└─┬─────────── カンガルー
■■■■■■■■■■│┌────────── ゾウ
■■■■■■■■■■└┤┌──────── モグラ
■■■■■■■■■■■└┬┤
■■■■■■■■■■■■││┌────┬── ネコ
■■■■■■■■■■■■│└┤■■■■└┬─ イヌ
■■■■■■■■■■■■■■■■■└─ クマ
■■■■■■■■■■■■├─────── コウモリ
■■■■■■■■■■■■└┬┬┬─┬── シカ
■■■■■■■■■■■■■■│││ └── ウシ
■■■■■■■■■■■■■■││└─┬── カバ
■■■■■■■■■■■■■■││  └── クジラ
□□□□ピカピ〜□□□□■■│└───── イノシシ
■■□□□□□□□□■■■■└───┬── サイ
■□■□□□□□□■□■■■■■■■└── ウマ
□■□■■■■■■□□■└┬────┬┬── ネズミ
□■□□□□□□□□■□■■■■■│└── リス
□■□■□□□□■□■□■■■■■└─── ウサギ
□■□□□■■□□□■□■│┌─────── キツネザル
■□■□■■■■□■□■■└┤┌────── リスザル
■□□□□□□□□□□■■■└┤┌───── ヒヒ
■□□■□□□□■□□■■■■└┤┌──── テナガザル
■□■■□□□□■■□■■■■■└┤┌─── オランウータン
■□□□□□□□□□□■■■■■■└┤┌── ゴリラ
□■■■□□□□■■■□■■■■■■└┤┌─ ヒト
□■□□■■■■□□■□■■■■■■■└┤┌ チンパンジー
□□■■□□□□■■□□■■■■■■■■└┴ ボノボ

この図は系統図(系統樹)と言われるものである。突然変異による分化を図で表したものだ。生物の場合は骨の形が重要になってくるのだが、これは時代によって解釈が変わりまくるので、この系統図も一定ではない。よって覚える必要はないが、参考までに見るとたしかに近くにいる動物の方が「何を考えてるかなんとなくわかる」感じで、遠くにいくほど「意思疎通が難しそうだ」と思わせる。……またまた誤解しないでいただきたいが、ネコからイヌが生まれたわけではない。 この図の丁度「┬」とか「┤」とかの場所に共通祖先がいたわけである。犬猫で言えば「┬」の部分にそれぞれの共通祖先であるミアキスがいたのである。残念ながらヒトとサルの共通祖先は見つかっておらず、こうした物的証拠がないがために「ヒトだけは神が作った特別な存在である」というような御伽噺が蔓延るのである。

 さて、系統図の説明をしたところでもう一度マクドナルドグループの資料を見てみよう。ここにはY染色体ミトコンドリアDNAそれぞれのハプログループの分布の他に、ハプログループの系統図が載っている。つまり、突然変異の法則を見つけ出し、それぞれの系統がどこから出発しどのように分化していったのかが分かったという事である。重要な事なので引用してみよう。

Y染色体の系統図)

┌─────────── A(アフリカ集団)スーダン人 亜堕夢くん
─┤
└┬────────── B(アフリカ集団)ピグミー 無頼庵くん
■■
■■├────────── C(アジア集団)マオリ※10% 忠吉くん
■■
■■■■■■■┌──── D(アジア集団)チベット人※40% 大根くん
■■├─────┤
■■■■■■■└─┬── E(アフリカ集団)ブルキナファソ人 江南無くん
■■■■■■■■■└── E3b(ヨーロッパ集団)ベルベル人(アマジグ) 海老くん
■■
■■└─┬──────── F(アジア集団)ドラヴィダ人 不乱貴くん
■■■■├──────── G(ヨーロッパ集団)グルジア人 悟蘭くん
■■■■├──────── H(アジア集団)ロマ 羽夢くん
■■■■├──────── I(ヨーロッパ集団)ヘルツェゴビナ人 伊豪流くん
■■■■├──────── J(アジア集団)セム系 丈くん
■■■■└─┬────── K(アジア集団)パプア人 華麗流くん
■■■■■■
■■■■■■├────── L(アジア集団)インド人 玲音くん
■■■■■■├────── M(アジア集団)イリアンジャヤ人 麻手有珠くん
■■■■■■
■■■■■■■■■┌── N(アジア集団)ネネツ人※2% 二個雷くん
■■■■■■├───┤
■■■■■■■■■└── O(アジア集団)フィリピン人※48% 雄羅布くん
■■■■■■
■■■■■■└─┬──── P(アジア集団)アエタ族トゥバ人(2016/1/2修正) 平李くん
■■■■■■■■├──── Q(アジア集団)アメリンド 九円珍くん
■■■■■■■■└─┬── R(ヨーロッパ集団)カメルーン人 浪漫くん
■■■■■■■■■■
■■■■■■■■■■│┌─ R1a(ヨーロッパ集団)アルタイ人 留弗夫くん
■■■■■■■■■■└┤
■■■■■■■■■■■└─ R1b(ヨーロッパ集団)バスク人 林吾くん

2020/5/16 追記
 アエタ族に打ち消し線があるけど、アエタ族にもハプログループPはいるので間違いというわけでもない。

ミトコンドリアDNAの系統図)

┌───────────── L1(アフリカ集団)南アフリカ人 凛々子ちゃん
─┤┌──────────── L2(アフリカ集団)アフリカ人 理凛ちゃん
└┤
■■└─┬────────── L3(アフリカ集団)アフリカ人 礼羅ちゃん
■■■■
■■■■├─┬──────── M(アフリカ集団)北アフリカ人 真理ちゃん
■■■■■■■┌──── M(アジア集団)インド人※15.5% 真理亜ちゃん
■■■■├───┤  
■■■■■■■■■┌─ C(アジア集団)エヴェンキ※0.5% 清ちゃん
■■■■■■■├──┤     
■■■■■■■■■└─ Z(アジア集団)ハザーラ人※1.5% 慈羅ちゃん
■■■■■■■├──── D(アジア集団)アレウト※37.5% 度希ちゃん
■■■■■■■└──── G(アジア集団)イテリメン※7% 我里奈ちゃん
■■■■
■■■■├──────── E(アジア集団)マレー人 絵梨華ちゃん
■■■■└──────── Q(アジア集団)パプア人 久実ちゃん
■■■■
■■■■└─┬──────── N(アジア集団)オーストラリア先住民(アボリジニ)※11% 奈多里ちゃん
■■■■■■■■■┌──── N(ヨーロッパ集団)グルジア人? 奈多里亜ちゃん
■■■■■■├───┼──── I(ヨーロッパ集団)クルド人 伊蘭ちゃん
■■■■■■■■■└──── W(ヨーロッパ集団)クルド人 宇院ちゃん
■■■■■■
■■■■■■■■■┌──── A(アジア集団)エスキモー※7% 亜里沙ちゃん
■■■■■■├───┤
■■■■■■■■■└──── X(ヨーロッパ集団)アルゴンキン語族 久世二亜ちゃん
■■■■■■├──────── Y(アジア集団)ニヴフ※0.5% 百合愛ちゃん
■■■■■■
■■■■■■└─┬────── R(アジア集団)タイ人 怜奈ちゃん
■■■■■■■■
■■■■■■■■├────── B(アジア集団)ポリネシア人※13% 美餡香ちゃん
■■■■■■■■├────── F(アジア集団)台湾原住民※6.5% 風花ちゃん
■■■■■■■■├──┬─── HV(ヨーロッパ集団)ペルシャ人 風里ちゃん
■■■■■■■■■■├─── H(ヨーロッパ集団)古代ギリシャ人? 平良ちゃん
■■■■■■■■■■└─── V(ヨーロッパ集団)サーミ 美緒羅ちゃん
■■■■■■■■├────── P(アジア集団)オーストラリア先住民(アボリジニ) 純粋ちゃん
■■■■■■■■■■┌─── J(ヨーロッパ集団)ローマ人 朱志香ちゃん
■■■■■■■■├──┤
■■■■■■■■■■└─── T(ヨーロッパ集団)ローマ系? 天玲沙ちゃん
■■■■■■■■
■■■■■■■■└──┬─── U(ヨーロッパ集団)サーミ 歌ちゃん
■■■■■■■■■■■└─── K(ヨーロッパ集団)クルド人 花蓮ちゃん

 できるだけファイルに忠実に書いてみた。本当は分岐した時代も考慮しないといけないのだが、そこまでするのは面倒くさいのであきらめた。アルファベットの右の()は分布地域をアジア、アフリカ、ヨーロッパという大雑把な分類で表したものである。*4その右側の○○人はその系統を持っている人が多い集団である。※がついているものは日本人が持っている系統とその割合である。一番右はアルファベット表記だとごっちゃになりそうだったので、適当なあだ名をつけてみた。

 これを見る限り、父系のルーツも母系のルーツもアフリカまで辿れる。どうやら人類の共通祖先はアフリカから出発したらしい。もちろん、サルからヒトが生まれたわけではないように、「我々の祖先は黒人だったんだー!」とはならない。今のアフリカ大陸*5に住んでいたご先祖様*6が暑さ寒さというような環境に適応したり、出発したその地に住むヒトと交配した事によってそれぞれ「人種」というものを獲得していったのだろう。

 今回、はじめてミトコンドリアDNA(以下mtDNA)のハプログループを紹介するが、ご覧の通り日本人が持っているmtDNAは10パターンもある。Y染色体のグループから比べると2倍近く種類が多い。となると今まで専門家はこの10パターンをどのような強引な手段で2グループに分類していたのか?という事が気になる。

 とりあえず注目すべきところは礼羅から真理と奈多里という娘が生まれ、これがそれぞれ出アフリカを果たした事だろう。系統図から見ると真理はアジア人の遠い母親になり、奈多里はオーストロネシア人、ヨーロッパ人の遠い母になる。真理の子孫である真理亜(真理と同系統の娘)、清、度希は中国人やモンゴル人にも見られる。これまでの常識から言ったら真理の系統は弥生人という事になる。割合を合計すると日本人の62%が真理の子孫になる。対する奈多里の子孫は南方系であり、白人にも近い事から縄文人だとする事ができる。38%の日本人はこちらだ。*7

 ところが分化が古い方が古モンゴロイドと考えると真理亜と奈多里の二人こそ縄文人でそれ以外の亜里沙や風花は弥生人と考える事も出来る。この場合、真理亜と奈多里で26.5%。縄文系の割合にかなり近い。こちらが正しいのだろうか?

 ここで重要となってくるのがY染色体の出アフリカだ。出アフリカを果たした男は忠吉、大根、不乱貴という事になる。このうち大根、不乱貴はチベットやインドといった局所に住んでおり、遠くの地域に子孫がいない事から定住民族であった可能性が高い。対する忠吉はあちこちで見かける事から移住民族だと考えていいだろう。このY染色体とmtDNAのハプログループをペアとして考えると、定住民族の真理亜、大根、不乱貴、移住民族の奈多里、忠吉という組み合わせができる。特に後者はオーストラリアの先住民においてきれいな対照で残っている。

 このようにY染色体とmtDNAの分布を比較しながら分類していくと、次のような13の民族集団がいた事が分かる。

アフリカ系【アフリカ諸語】 ゼムナス族
亜堕夢くん
無頼庵くん
江南無くん
凛々子ちゃん
理凛ちゃん
礼羅ちゃん
真理ちゃん

人類の祖先はアフリカから来た事になるが、その祖先と同じような生活を続けているのが彼らだ。彼らは完全な定住民族と言う事が出来る。我々日本人は完全な定住民族ではなく、どこかからやってきた移住者の子孫だという事になる。

出アフリカ定住系【シナ=チベット語族】 ザルディン族
大根くん※40%
真理亜ちゃん※15.5%

出アフリカしたグループの1つ目である。出アフリカの理由は不明だが、一番大きな理由は「外敵」から逃れるためだろう。特に農業の発展は出アフリカと大きな関係がある。作物へのダメージを考えると、野生動物が少ない地域へ移住する必要がある。このグループが農耕民族だったのかどうかは不明だが、脱狩猟生活を求めてアフリカからアジアへ向かってきたのだろう。出アフリカ直後の集団である事からこのグループは「古モンゴロイド」と言っていいだろう。

出アフリカ移住系【アルタイ語族】 シグバール族
忠吉くん※10%
奈多里ちゃん※11%
度希ちゃん※37.5%
我里奈ちゃん※7%
百合愛ちゃん※0.5%

出アフリカしたグループの2つ目である。このグループは十中八九海の民である。狩猟生活をしている物が多い事を考えるとこのグループが出アフリカをした理由は、新しい獲物を求めての可能性が高い。怖いもの知らずで見知らぬ土地へも果敢に挑んでいったのだろう。アメリカや日本に関しては「大陸と地続き」だったから海を越えたという見方もできるが、ポリネシアニュージーランドのような明らかに大陸とはつながっていない地域に存在する事から何らかの航海技術を持っていた事は明らかである。度希の系統は日本人の男女問わず4割近くの母親である。mtDNAだけで見た場合は新モンゴロイドだと考えられていたが、このグループに含まれているという事は古モンゴロイドの集団にいた可能性が高い。ザルディン族とシグバール族の割合を合わせると、日本人のY染色体の50%、mtDNAの71.5%が古モンゴロイドの系統だと考えられる。という事は「縄文系は2割程度」という見解が間違いであった可能性が高い。もちろん、「弥生人は古モンゴロイドだった」と考える事もできるが。

インド原住民系【ドラヴィダ語族】 ヴィクセン族
不乱貴くん
怜奈ちゃん

最後に出アフリカをした3つ目のグループである。このグループは「白人の祖先」である。このグループは日本人には全く見られない。つまり、これまでのグループがアジア流入第一波で、これ以降にあらわれるのが新モンゴロイドであるという事だ。そして驚く事なかれ。この怜奈の子孫であるポリネシア系の美餡香と台湾原住民系の風花の系統は日本人に見られる頻度19.5%でこれまで言われていた縄文人の割合に限りなく近いのである。縄文人は白人に近いという一般論にもピタリと符合する。ちなみにこの集団は農耕民族の可能性がかなり高く、大陸思想の産みの親である可能性も高い。世界の人口の90%以上が不乱貴から分岐したと言われているので、男性の半分近くが古モンゴロイドの子孫である日本は世界と比べてかなり特異な地域であると言える。

オーストロネシア移住系【マレー=ポリネシア(オーストロネシア)語族】 レクセウス族
華麗流くん
麻手有珠くん
平李くん
浪漫くん
久実ちゃん
純粋ちゃん

上記のヴィクセン族がインドシナ辺りへ向かってそこからシグバール族との出会いで海を渡る術を覚えた。このグループも移住民族であり、あちこちでみかける。おそらく狩猟民族。いわゆるオーストラロイドである。

アメリカ原住民系【アメリカ諸語】 ルクソード族
円珍くん
清ちゃん※0.5%
亜里沙ちゃん※7%
久世二亜ちゃん

レクセウス族が北上して生まれたグループ。移住型の狩猟民族だった可能性が高い。このグループは日本人において男の遺伝子はないが女の遺伝子だけ残っている。どうやら私が言っていた朝鮮半島から来た渡来系の本州女性(弥生系)のルーツのようだ。だが、女性の頻度も少ないことを考えると最初からこのグループの男性は少数派で、男児が生まれなかったりモテない時期があり、自然消滅してしまった可能性も高い。

モンゴロイド系【南アジア(オーストロアジア)語族】 アクセル族
雄羅布くん※48%
絵梨華ちゃん
美餡香ちゃん※13%
風花ちゃん※6.5%

雄羅布は分化から考えると南方系。しかも、一緒についてきている嫁さんのタイプがこれまた南方系である。つまり、マレー系で間違いない。これまで学者達が語っていた縄文人は新モンゴロイドの一派の事だったようだ。私が「中国!」「韓国(笑)」というタイトルにした方がいいと感じたのもどうやら気のせいではなかったようだ。中国人はルーツがたくさんあるが、現在の漢民族は南から生まれた部族勢力が力をつけて北上していき出来た民族らしい。北方のモンゴル人やツングースがルーツではない。モンゴル人やツングースが国を支配していた時期もあるが、現在の漢民族とは何の関わりもないと言える。

地中海系【セム語族・ハム語族】 デミックス族
海老くん
丈くん
風里ちゃん
花蓮ちゃん
朱志香ちゃん
天玲沙ちゃん

地中海周辺の人種で、商人系のグループである。ユダヤ陰謀論でお馴染みのロスチャイルド家はこのグループの子孫らしい。中東に昔からいたアラブ人達もこのグループの子孫。ギリシャ人、イタリア人にも多い。ヒトラーもこのグループの子孫だったらしい事から、ヒトラーユダヤ人という俗説があるが、このグループの全てがユダヤ人だったわけでない。当たり前だが、同じ人種が同じ宗教を信仰していたわけじゃなく、当時の中東人はヘブライ人の他に、陸の商人アラム人と海上貿易を得意としていたフェニキア人がいる。フェニキア人はフェニキア文字ギリシャ人に伝え、ギリシャ文字からアルファベットが生まれた事から分かるように文化的にはフェニキアギリシャ→ローマという流れがある。おそらく南ヨーロッパの源流はフェニキア人なのだろう。ギリシャ人、ローマ人は別にユダヤ人じゃないわけだし。

西欧系【インドヨーロッパ語族】 ロクサス族
伊豪流くん
林吾くん
美緒羅ちゃん

ヨーロッパ原住民系だろうか?いわゆる白人らしい白人。伊豪流は陸路から入ってきたある意味純粋なコーカソイドだろう。林吾、美緒羅は地中海からやってきたオーストラロイドと地中海系の混血児だろう。どちらも移住系の狩猟民族。

ユーラシア北方系【ウラル語族】 サイクス族
二個雷くん※2%
慈羅ちゃん※1.5%

北方へ向かった新モンゴロイドがアクセル族と分化した。正真正銘の新モンゴロイドの北方系である。ところが日本人における割合はとても低く、この程度で日本人の形質に影響を与えたとは言いがたい。しかもフィン人やサーミを見る限り、金髪も多く白人に近いのだが。学者たちの言っていたモンゴルで生まれた新モンゴロイドとはどのグループの事なのだろうか?

コーカサス系【コーカサス諸語】 ゼクシオン族
悟蘭くん
奈多里亜ちゃん
伊蘭ちゃん
宇院ちゃん

これまで分類学では現在のヨーロッパ人(白人)はコーカサス山脈を越えてヨーロッパへ向かったと考えられていたから、コーカソイドと呼ばれていた。しかし、ヨーロッパ人はどうやら地中海から渡った者達の子孫がほとんどであり、このグループの子孫ではない。白人をコーカソイドという呼ぶのは古いことになる。コーカサス地方に住んでいる人たちはこの地方にしか子孫がおらず、またヨーロッパの人達の遺伝子分化も伊豪流を除いて存在しない。血縁関係はそれほど濃くないという事である。こちらはヨーロッパとは対照的に定住民族だった可能性が高く、別の歴史を歩んでいると考えた方がよさそうだ。

続インド系【ドラヴィダ語族】 マールーシャ族
羽夢くん
玲音くん

インドにしかいないので日本人とは無関係だが、定住民族だった可能性が高い。ただし、羽夢の方はロマとして移住民族になった者もいる。

アーリア系【インドヨーロッパ語族】 ラクシーヌ族
留弗夫くん
平良ちゃん
歌ちゃん

狩猟民族だったロクサス族がアルタイ系やウラル系の中に混じって畜産業を覚えた?世界を二分するゾロアスター教バラモン教を作り出した。

 とまぁ、ざっと記してみた。日本人のルーツは混血であり、多民族であり、多様であると言ってきたが、こうして見ると日本人のルーツは割とわかりやすい事が分かった。古モンゴロイド系のザルディン族、シグバール族、新モンゴロイド系のアクセル族、サイクス族、ルクソード族の5つ。しかも、サイクス族、ルクソード族が少数派である事を考えると実質3つのグループが主体だったと考えられる。現在、先進国のほとんどが混血をしていてルーツが分かりづらくなっていて、原住民か少数民族でないとルーツを探すのに困難な時代であるが、日本人はご覧の通り、ルーツがカンタンに分かるのである。

 さて、この事をふまえてマクドナルドグループの資料を見てみよう。モンゴル人の頻度をよく見ていただきたい。モンゴル人は忠吉を父親に持つ人が一番多い。忠吉は確かに「東アジア」に限定して考えるならば、北方系である。だが、「世界」を視野に入れると、ポリネシア人マオリアボリジニと南洋の人々にも多く見られる。つまり忠吉は「北方系ではない」。その上、黒人→白人→黄色人種という認識が一般的だが、これも間違いである事が証明された。実際にはアフリカ系(黒人とは限らない)からいきなり、黄色人種(おそらく古モンゴロイド)とオーストラロイド(オーストラリア原住民かインド原住民系)に別れ、オーストラロイドから白人系統が生まれた事である。つまり、アフリカ→古モンゴロイドと、アフリカ→オーストラロイド→新モンゴロイドor白人という大まかな流れしかない。遺伝子的には前者の出アフリカ後の血が濃い事からモンゴル人は古モンゴロイドの子孫である。一方で中国人は半分どころか7割近くが新モンゴロイドであり、男の系統はほとんどモンゴル人と似ていない。

 このように考えると、これまで学者達が言っていた「蒙古襞」「蒙古斑」とかこういうモンゴル人の特徴自体どういう事になるだろうか。これは古モンゴロイドの特徴だろうか?新モンゴロイドの特徴だろうか?ハプログループの頻度から見ればモンゴル人もまた古モンゴロイドと新モンゴロイドの混血である以上、どちらが持っていた形質かは全く分からない。そもそもモンゴロイドという呼び方自体どうだろうか?雄羅布が南方系で、忠吉が移住民族であった以上、モンゴル人のご先祖様はモンゴルではない別の場所にいたわけで、モンゴロイドの発生場所も今のモンゴルとは違う場所である可能性が高い。今のヨーロッパ人の祖先はオーストラロイドやアフロアジアの血が濃く、コーカサス地方が実は大した影響を与えていないように、我々モンゴロイドにモンゴルという土地は対した影響を与えていないのではないだろうか?

 結局のところモンゴロイドという呼び名は白人たちにとってアジア特有の顔といえば、自分達の文化圏に踏み込んできたモンゴル帝国のやつらの顔つきであり、それほどのインパクトがあったからモンゴロイドと名づけただけであって、学術的な意味合いはほぼない。コーカソイドについては上で述べたとおりだが、ネグロイドにしてもオーストラロイド、インド人、そしてカメルーン人はヨーロッパ人にとても近いという事実から肌の黒さ、白さはルーツや人種とは無縁であり、ただの環境適応にすぎないという事もわかってしまった。

 また、これらの結果からアイヌはどう考えたらよいのだろうか?これまで白人に近い事は古モンゴロイドと考えられていたが、実際には白人と兄弟関係にあるのは新モンゴロイドの方である。はたしてアイヌとは何者なのだろうか?――アイヌについてはDNAのデータがある。だから、きちんと見ればアイヌがどういった成り立ちで出来た民族なのかが分かるという事である。そして、縄文人とは、日本の原住民とは何か?という事をもう一度、白人至上主義から解き放たれて見るべきなのである。

つづく

2020/5/16 追記
 この記事もネタに走りすぎて、電波な上に読みづらい文章になってしまった。個人的に年代を考慮しなかったのは痛いが、男女を組み合わせるという考え自体はあながち間違いではないかもしれない。例えば古い時代のクロマニョン人Y染色体C1a2とミトコンドリアNが見つかるが、日本ではC1a1とN9、オーストラリアではC1b3とNが見つかる。他にもアンダマンにD1a2bとM31、日本にD1a2aとM7a、チベットにD1a1とM9というように出アフリカ時点に関しては明らかに共通祖先がいたように思われる。
 あと、系統図に関しては元々の資料から十年以上経過しているためいくつか更新があるのだが、それについては別記事にする必要があるように思う。

*1:人間の世界でも「血統主義」なんて言葉があるが、有力氏族や王様というものもある意味では品種改良によって生み出された理想の人間と言えるのかもしれない。また、この理屈でいくと動物園で飼われている動物はいずれ原種から遠くはなれた別の種になってしまう可能性もある。まぁ、突然変異は気の遠くなるような年月がないと起こらないから、我々が生きている時代の話ではないけど。

*2:「サルというフシギダネ」から「ヒトというフシギソウ」が生まれたわけじゃない。

*3:「共通祖先という名のイーブイ」から「ヒトというブースター」と「サルというシャワーズ」に進化したのである。シャワーズからブースターになったり、逆にブースターからシャワーズになったりはしないのである。

*4:アメリカ、オセアニアはアジアと共通点があるように感じたのでアジア扱いにした。

*5:大陸は年々地殻移動しているはずなので、共通祖先が生きていたころの地形が今と同じとは限らない。

*6:黒人だったのかもしれないし、黒人と白人の中間の容姿だったのかもしれないし、あるいは今の人類とは異なるサルや宇宙人みたいな姿だったのかもしれない

*7:世間一般で言われている1〜2割とは大きくズレているが、こういうズレは毎度の事なのでいちいちつっこみません。