炎上はマスコミの真似事
「ネットはアンチマスコミ」みたいな事をよく聞くけど、これは違う。本当にそうならばWEB上にテレビ局や新聞社の公式サイトがあるのはおかしい。ネットとマスコミは敵対どころか協力関係に成りえるのである。*1ネットがアンチマスコミとして機能していたのは遥か昔でそれこそ２ちゃんねるが出来た当初ぐらいの９０年代後半から２０００年代前半くらいには「終わっている」。少なくとも今現在のネットはアンチマスコミではない。
私がTwitterでコメントをしなくなったのもネットのマスコミ化が加速してきたからである。具体的にはTogetterとかいう糞サイトが出来たことにより、Twitterの長所は全て殺され、完全に従来型メディアと同じ構造がそこに生まれてしまったのである。*2便利なTogetterの何が糞なのかというと、これは２ｃｈまとめサイト――つまり「アフィブログ」と大して変わらないからである。
私はアフィブログが大嫌いである。アフィブログの横にあるのは大抵「美少女フィギュア」か「ゲームソフト」か「アニメＤＶＤ」で、「児ポ規制」に反対しているから運営者はオタクのように見えてしまうが、これは違う。上記のアフィリエイト（広告）に通じる特徴は「一つあたりの物価が高い」という事である。オタクグッズは高い。ゲームソフトは最新のソフトなら安くても３０００円くらいはするし、同じくアニメＤＶＤも安くて３０００円クラス。美少女フィギュアに至っては造形のしっかりしたものなら平気で５桁を超えるわけだ。一般的な書籍が１０００円越えでも高い方という事を考えれば、どちらを宣伝した方が金になるかは目に見えている。
アフィブログが「児ポ規制」に反対するのは、オタクを応援しているわけでもなんでもなく、「広告収入が無くなったら困る」という単純な理由である。ご存知、民放テレビの「スポンサーを敵に回せない」という構図と全く同じ構造なのである。本当にその作品がオススメで宣伝しているのなら特設のレビューページでも内容の簡単な一言コメントでも出来るだろう。それをしないのはその手の分野にうとい「にわか」で、金儲けの手段としてオタクグッズを看板にしている人達だからである。
収入の構図だけがマスコミに似ているわけではない。２ｃｈまとめサイトでは２ちゃんねるからいくつかの匿名の人物のコメントをコピペして記事を作るわけだが、記事にしてしまった時点で口コミでも何でもないだろうというツッコミを入れたくなる。例えばテレビの街頭インタビューで一般人の反応を拾うというのがあるが、大抵の人間は忙しかったり、カメラを前にして喋りなれてなかったり、世界に放送できるようなメイクをしていなかったりで使えない人間が多いのである。だから、「数少ない」一般人の声だけでは成り立たないので、エキストラを雇ってそれっぽい事を言わせて世間では無名なものがまるで流行っているかのように見せる事が出来るのである。
そう「捏造（ねつぞう）」だ。まとめブログは捏造できないだろうか？どう考えても「できる」だろう。なんせ取材先は匿名掲示板だ。一人一人のコメントが「誰なのか？」なんてことはどうだっていい。極端な話２〜３人の仲間で手分けして書いたコメントとそれに共感した第三者のコメント「だけ」を拾って、例えそれがスレの中でも少数意見でも記事には大量に載せる事でまるでそれが一般大衆の意見であるように見せる事も出来るのである。
また、反対意見が多かろうが、その中からあからさまに頭の悪い「痛い」コメントを見つける事が出来たらそいつを晒し挙げて、記事の中でも色を変えて「コイツおかしいやつでっせ！みなさん」と印象づけ、反対意見自体がおかしいというような「印象操作」を行うこともできるのだ。だから、本当の真実、本当の意見を知りたいのなら現場である２ちゃんねるへ行き、そのスレッドを見るしかない。
いわゆる「炎上」なる文化がネット人口が増えた事で生まれたが、そもそもこの大多数で痛いやつを叩くという構図自体が、マスコミの常套手段である。不倫疑惑があったら大勢でカメラとマイクを囲んでネチネチやってたのが、コメントという形になっただけでやってる事は全く同じである。まとめサイトで晒されて炎上が広がったという例も多いだろうが、そもそも２ちゃんねる自体が個人運営の痛いサイトを叩きまくるという「荒らし」文化の持ち主である。アンチマスコミじゃない。
このブログはコメント欄を作っていないが、私はコメントがあるから双方向性があるとは思ってない。相手を煽るようなコメントを一言つけて、著者がボロを出すのを虎視眈々と待つようなものが多い。逆に記事に書かれている内容をヨイショするコメントしかなく、議論がしたい私にとってはどちらも興味がないからである。もし、このブログに意見があるのなら、自分のブログなりなんなりで引用するなりして、相手の家に土足で上がりこんでではなく、自分の家で意見を公開すればいい。意見の発表さえ自由であれば、直接対話の必要はないというのが私の考えだからだ。
