ドラクエ11感想その7【グリーンオーブを入手まで】

・港町では再び逃走劇が繰り広げられる。そりゃお尋ね者がコンテストになんか参加したらそうなりますわな。パーティーメンバーのほとんどをボケキャラが占めているので、カミュのツッコミがさえている。

・ケーキがある。これについて何か気の利いた事を言おうと思ったのだが、自分の知識がなくて特に何も言えない。ただ、ケーキが作中で描かれている。

・初めて第三者の味方(理解者)が出てくる。これまでもやもやするイベントが多かったのでホッとする展開だ。他の大陸への移動を「逃避」という形で向かうのは、やはり今作の勇者のキャラクター性によるものだろうか。

・仮面武闘会は仮面舞踏会とかけたシャレ。日本語で考えないと分からない部分。

・ここでもムービーで見かけたキャラが登場。対戦相手として出てくるのだが、敵ではない事が分かる。

・ハンフリーというタイガーマスク登場。このキャラも二面性のあるキャラとして描かれている。

・廃墟になった故郷へ。育ててもらった村、生まれた城、勇者にとってどちらも故郷なのだがそのどちらも滅んでしまっている。帰る場所がない=自分が安心できる場所を探す旅。

・ここでも逃走劇が繰り広げられる。そりゃこんな最中に儀式なんかやったら見つかりますわな。

・賢者ロウと武道家マルティナが仲間になる。ネタバレ感想なので遠慮無く言うとどっちも王族。城下町の下層に出入りする盗賊、魔法使いという怪しげな職業についている姉妹、街や国に縛られない旅芸人、ワケありの王族。と、王族からうさん臭がられるキャラからどんどん王制に近いキャラへと近づいている。ドラクエ4をやったことがある人なら、あ!そういう事かとわかるかもしれない。

・敵でありながらグレイグの名前がよく出る。伏線である。宿敵の名前がウルノーガである事が分かる。ダサい。ダサいけどそれもまた伏線である。伏線の張り方がほんとに巧妙なので、参考にしてもらいたい。

・これまでミステリアスなキャラだったシルビアの核心に迫る街へ。ここでは関わりだけ提示して、あんまり掘り下げない。伏線を張りつつも反応の面白さから飽きさせない&印象づけが上手い。

・カジノがある。海外では厳しくレーティングされるカジノがごく普通に遊べる。これについて制作者の意図は何なのか考えたのだが、確信が持てなくて特に何も言えない。ただ、カジノが作中で描かれている。

・水門を超えると人魚のイベントが始まる。かつてはよい働きをしていたものが今は悪く語られているという勇者の物語の「鏡」であり、本作のテーマを象徴するエピソードである。バッドエンドをあえて見せるのは、「君たちはこうはなってはいけない」というメッセージであるとともに、「こうなってしまうかもしれない」というメッセージでもある。

・これはアンデルセンのような「人と化け物は絶対に結ばれない」みたいなガチガチのキリスト教的価値観でも、ディズニーみたいな「人魚も幸せなれるさ。そんなルール壊してみせる」みたいな改革的なアンチキリスト的価値観でもない。浦島太郎とか鶴の恩返しのような異なる種族同士が結ばれるために「約束」という呪詛をかけあうが、約束は破れてしまい関係が壊れてしまうというようなもっと土着的な価値観が根っこになる。世界がルールを作って、それに従うか抗うかではなく、本人達がルールを作ってそれを守れるかみたいな。うん、すごくてきとーに言っているから、ツッコミどころ満載かもしれないけど、イメージとしてはそんな感じ。

・今作の勇者って人を幸せにするイベントと不幸にしてしまうイベントが同じぐらいの割合である気がする。ベロニカの身長の件と言い、王様に私が勇者ですと話す事と言い、おそらくだけど、今作では「人からの頼まれごと」を聞いてそれを叶えてあげるみたいな事をあんまり肯定していないんじゃないだろうか。「勇者ってドラえもんみたいな便利屋じゃないよね。もっと大切な事があるよね」みたいな「勇者とは何か?」的な深い問いかけみたいなものを感じる。